【中小企業必見】「情報セキュリティ 10大脅威 2025」から学ぶ、自社を守るための対策と活用方法

サイバー攻撃は大企業だけの問題ではありません。中小企業もその標的となるケースが増えており、被害に遭えば事業継続や顧客からの信頼に甚大な影響を及ぼす可能性があります。
独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が発表した「情報セキュリティ 10大脅威 2025(組織編)」は、現代のセキュリティリスクを把握し実効性のある対策を検討するうえで非常に有用な資料です。
本記事では、この資料のポイントをわかりやすく解説し、中小企業が現実的に取り組むべき対策についてご紹介します。

IPA「情報セキュリティ10大脅威 2025」のWebページはこちら

目次

今、組織が直面する「情報セキュリティ 10大脅威」とは?

IPAの「情報セキュリティ 10大脅威 2025」(組織編)では、セキュリティの専門家によって選ばれた、企業にとって特に深刻な脅威がランキング形式で公開されています。

  1. ランサム攻撃:データを暗号化・窃取し、身代金を要求。
  2. サプライチェーン攻撃:取引先などを経由して標的企業を攻撃。
  3. システムの脆弱性を突いた攻撃:OSやソフトの弱点を悪用。
  4. 内部不正:従業員による不正な情報持ち出し。
  5. 標的型攻撃:特定組織を狙った情報窃取など。
  6. リモートワーク環境の脆弱性:VPNや端末の不備を攻撃。
  7. 地政学リスクに伴う攻撃:国家的対立が背景の攻撃。
  8. DDoS攻撃:アクセスを集中させてシステムを麻痺。
  9. ビジネスメール詐欺:なりすましによる金銭被害。
  10. 不注意による情報漏えい:設定ミスや紛失など。

これらの脅威は、たとえ小規模な企業であっても他人事ではありません。特にサプライチェーン攻撃では、大企業に直接アクセスできない攻撃者が中小企業の脆弱性を突破口に利用するケースもあります。

効率的に対策を進めるためのポイント

IPAでは、共通する「攻撃の糸口」に対して有効な基本対策共通対策を提案しています。

基本対策(例):

  • 脆弱性対応:ソフトウェアを常に最新に保つ。
  • マルウェア対策:セキュリティソフトを導入する。
  • パスワード管理:複雑なパスワードや多要素認証を使う。
  • 設定確認:システムの設定ミスを防止する。
  • リスクの認知:手口や被害事例を学ぶ。

共通対策(7つの重点):

  1. 認証強化:多要素認証やパスキーを導入する。
  2. 情報リテラシー教育:社員一人ひとりが知識を持つ。
  3. リンク・添付ファイルの注意:怪しいメールは開かない。
  4. 報告体制の整備:不審な事象は即報告する。
  5. インシデント対応手順の整備:万一の際の初動対応を明確化しておく。
  6. IT基盤の強化:ネットワーク機器やPCのセキュリティ対策を徹底する。
  7. バックアップの運用:ランサム被害を想定した定期バックアップを実行する。

自社の対策を考えるステップ

資料を読んで終わりにせず、自社の現状に応じた対策を立てることが重要です。以下の4ステップで具体的に落とし込んでみましょう。

ステップ1:守るべき資産を明確にする

「顧客情報」「受発注データ」「オンラインサービス」「社内ノウハウ」「信頼」など、何を守るべきかをリストアップします。

ステップ2:自社にとっての脅威を特定する

「VPNが古い→リモート攻撃のリスク」「取引先とのメールに不安→ビジネスメール詐欺の恐れ」など、自社の状況に合わせてリスクを洗い出します。

ステップ3:有効な対策と現状を把握する

IPA資料の中から、自社に合った対策を抽出します。「実施済み」「一部実施」「未実施」に分類して現状を可視化します。

ステップ4:優先順位を付けて対策を実行

限られたリソースで最大の効果を得るため、影響度や発生頻度を基に優先順位を決定します。例えば「まずは多要素認証」「次に社員教育」など段階的に進めます。

まとめ:まずは「できることから、確実に」

サイバー攻撃の手口は進化し続けています。しかし、攻撃の多くは基本を守ることで防ぐことができます。中小企業だからこそ「限られたリソースの中で何を優先して守るか」を考え、着実に実行することが大切です。まずは自社に必要な対策を一つでも実施するところから始めてみませんか?
本記事が皆さんの情報セキュリティ対策強化の第一歩となれば幸いです。

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